「日常を超える面白さはありません、二人の子供から刺激を受けています」 おおかみこどもの監督が語る新作の原点

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おおかみこどもは母が死んで、母のために作ったんです。


「おおかみこどもの雨と雪」は細田の母がきっかけになって製作された作品である。映画は主人公が狼男と出会い、その狼男との間にできた子供たちを女手ひとつで育てる物語である。
子供の成長とその母の心情を13年に及んで描く。この作品に対して

「母が亡くなって、自分がどれだけ親の幸せに貢献できたのか知りたくて、この作品を作り始めました。」

と細田は語る。細田は自身が最も作りたかった映画かもしれないと語り、「おおかみこどもの雨と雪」に込めた自身の想いを告白した。

「それほど自分の中では特別な作品なんです。100年もの歴史がある映画は、人間のあらゆる人生を網羅していると思える

じゃないですか。ところが、案外そうでもなくて、まだまだ映画になっていない人生の喜びや悲しみの要素はいっぱいあるんだ

って気づいたんです。ガンダムの富野監督からも、同じように言っていただいて、とてもうれしくて。

それを目指すことこそ、作り手として大事なことなんだと改めて感じました。」

細田は話しながら、自身で言葉を嚙み締めた。細田が母親と「おおかみ・・」の関連性を語った最後に

「同時に僕にはこどもがなかなかできなかったので、子育てへの憧れがあったんです」

と語っている。身近な人間に対するリスペクトから作品を生み出してきた細田、日々生活を共にする子供らから新しい刺激を受けて、どんな細野ワールドを作り出すのか新作が待たれる。