もっと早く戻っていれば、と。
体育館なんかに寄らなければ、あるいは、と何度も考えました。
でも、そのたびにちーちゃんの嬉しかったという言葉を反芻し、気持ちを切り替えました。
医者に聞いたところ、恐らく行きの道での出来事はきっかけであり、
決定打はここにあったのだろうと仰っていました。
完全なPDSDだと言われ、仕事は休むようにとも言われました。
しかし、スーパーは食料品を扱うライフライン。
そう簡単に休むべきではありません。
しかも、その頃にはすでに部門を支えるべき立場にあったので、
家族に連絡ができないまま、職場で寝食をしながら家族が来るのを待ちました。
ちーちゃんは避難所からの通い勤め。
夕方になるとバックヤードで話をするのが日課となり、
2カ月後、「遅くなってごめん。約束を果たしたい」と告白をしました。
吊り橋効果かどうかは分かりませんが、彼女はそれを受け止めてくれました。
命の恩人だけどそれだけじゃなく、これからも守ってくれると思ったから、という理由からだそうです。
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