翌朝。
船とは言っても手漕ぎのボートにエンジンを積んだようなもので、
何やら無線でどこかと通信しながら自衛隊員の方がひたすら周辺に気を配っていました。
自衛隊員(以下自)「この辺りに救助が必要な方はいませんでしたか?」と問われ、
僕「いや、みんな大丈夫そうでした」
自「?いるのですか?」
僕「あ、いや、手遅れなんで」
自「そうですか・・・」
と、そんな会話をしたのは覚えています。
一日かけて歩いた距離を、ボートだとさほど時間をかけずに戻りました。
大声をかけて、助けに戻ったことを家に伝える。
ちーちゃんがベランダに出てきて、大きく手を振ってくれた。
早く、早くと叫んで。
「もう大丈夫」と、昨日より少し水が引いた庭に船を着けて声をかけたのですが、様子が少し変です。
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