それでも何とか体制を崩すことなく、玄関先までおぶって行くことができました。
何度か足元を掬われるような泥にぬかるみましたが、
そこは好きな女性が見ているということもあり、踏ん張ることができました。
階段の濡れていない段まで、彼女と彼女の母がタオルを持って下りてきてくれていました。
濡れた身体を拭いて、男性にも以前亡くなったじーちゃんの服を着させていました。
階段を上がり、部屋でばーちゃんとその男性が顔見知りだという話から救助までは割愛します。
全て書いていたら切りがないので。
その晩は、男性女性に別れて寝たものの、夜中こっそ廊下の窓際で彼女と話をしたりしました。
翌日、彼女たちを連れて移動が出来ないか、と考えていました。
しかし、老人を二人とも自分が担ぐことはできません。
男性は前日に濡らした身体が万全ではありませんでしたし、
何より水の引いていて、尚且つ人が救助に来てくれそうな場所が思い当たりませんでした。
結局、大人しく救助を待つことに。
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