カメラは爺ちゃんの形見だったけど婆ちゃんは何も言わずに処分してくれた。
ごめんよ婆ちゃん。
そんなわけで形のあるモノは何一つ残ってないハズだった。
記憶も封印したから二度と思い出すことのない思い出だったんだけど……
ところが3枚の写真がこうして俺の手元に戻ってきた。
部室に放置されていたものを顧問が見つけて俺の代わりにカプセルに入れてくれたから。
丁寧な手紙を添えて。そのおかげで大事な思い出が蘇ったということ。
高校入学以降、彼女のことを必死で思い出さないようにしていたせいで今の今まで本当に
忘れてしまっていたんだ。
次のページに続きます…