起こされた妹が、父の傍に行くと、手を握ってまるで狼の咆哮にも似たような声で10分ほど大泣きしました。
病棟全体に響き渡るような大声でした。父の事で、妹が泣いたのはそれっきりです。
葬儀の最中、悲しみに暮れる家族をしり目に、妹はいつもの笑顔でした。
母親が「父さんがタヒんだのが悲しくないのか?!」と常時詰っていましたが、妹は笑っていました。
「やっぱり頭が春なのよ…」と、噂する親戚や近所の人も居ました。妹は小さいころから少し特殊なところがありましたので。
でも、妹は気にせず笑顔のままでした。
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