だから僕は、いつも年中置きっ放しのコタツに、
頭だけを突っ込んで泣いていました。
母は、僕がイジメに遭ってるだろうことは、
薄々感じてるようでした。
だけど、そのことで、母は学校やイジメっ子の家には行きませんでした。
…というより行けなかったのです。
親父が大変厳しい人だったから。
親父は侍みたいな人で、柔道の有段者でした。
バツイチで、僕が生まれた時には、50歳を過ぎてました。
世間では年取ってからの子は可愛い、というそうですが、
親父は、この上なく厳しく、
僕にとっては、いじめっ子よりも怖い存在でした。