管理人「なにかあったんですか!?」
男「!!」
女「実はここに極めて特殊な変態が……」
管理人「なぜ裸足なんですか?」
女「え? あ、いやその……ちょっと開放的な気分になりたくて……」
管理人「開放的な気分ねえ」
女「ほ、本当です。あの、coccoとかそういう歌手の人のマネです」
管理人「悪いけど、屋上から出てもらってもいい?」
女「……」
管理人「こんな世の中だと、ついつい暗い考えが浮かんでしまうんですよ」女「……わかりました」
管理人「おねがいしますね」
女「はい」
男「いやあ、ビックリしたあ」
女「ひゃっ!? きゅ、急に声出さないでくださいよ」
男「おっ。はじめて驚いた顔をしてくれましたね」
女「……悪いですか?」
男「いえ、ぜんぜん」
男「それにしても。あなたが叫んだ瞬間に、おばさんが来たんで焦りましたよ」
女「管理人さんです」
男「思わず隠れてしまいましたよ」
女「隠れたんですか?」
男「おや? 気づきませんでした?」
女「管理人さんのほうに気をとられてましたからね」
男「靴のことを指摘されて焦ってましたね」
女「……うるさいです。それより、どうやって隠れたんですか?」
男「ん?」
女「ここ、とっさに身を隠せる場所なんてありませんよ」
男「あなたなら、塀の上から見慣れてると思うんですけど」
女「わたしなら……あっ、そっか」
男「気づきましたか?」