女「結局それですか」
男「僕に抱かれるのが、イヤなんですか?」
女「イイと思うんですか、わたしが?」
男「質問に質問は感心しませんね」
女「あなたの言動よりはマシでしょう。でも、そうですね……」
男「おやおや。ようやく僕を受け入れてくれますか」
女「ええ。最期ぐらいは、役に立つことをしてもいいかもしれません」
男「話の理解が早い人で助かります」
女「ええ。警察に通報します」
男「フッ……」
女「言っておきますけど、おどしとかじゃないですから」
男「ほほう」
女「こんな世の中です。
女であるわたしがあなたを通報すれば、どうなるかはわかりますよね?」
男「フッ、あまいですねえ」
女「あまい?」
男「あなたは自殺を図っていた。身元整理はしてるんじゃないですか?」
女「それは……」
男「ケータイを解約したりとか、遺言書を残してたりすれば」
男「自殺の証拠としては十分ですよね」
男「ていうか、ケータイ解約してたら警察に通報すらできませんけどね」
女「うっ……」
男「つまりあなたは、僕に抱かれて死ぬか」
男「僕を通報して、ダラダラとこの世界で生きていくって選択肢しかないんですよ」
女「どっちも地獄ですね」
男「さあどうしますか?」
女「……」
男「おとなしくしていれば、優しくしますよ」
女「きゃあああああっ! 誰か助けてえええ!!」
男「ええっ!?」
男「これから死ぬくせに、なに助けを呼んでるんですか!?」
女「あなたを出すとこに出して、それから死ぬことにしました」