ディスレクシアとは??
オーランドが抱えていたディスレクシアは学習障害のひとつで、日本では「失読症」「難読症」「識字障害」などと呼ばれています。ハリウッドには同じ障害をもつ俳優や監督も多く、トムクルーズ、キーラナイトレイ、それから映画プロデューサーのスピルバーグ監督も失読症で苦労したひとりです。英語圏では複雑な音素が使用される為、ディスレクシアの発症が日本よりも多く、10~20%の発現率と言われています。
学校は大変だった。ものすごく。通知表にはこう書かれていたんだ「おそらくオーランドは賢い子なのでしょう。
窓の外をぼーっと眺めたり、ハムスターのケージを覗きに行くことを辞めることができさえしたら」
僕は気の散りやすい子供だった。運動は得意だったけれど、荒っぽくていつも怪我ばかりしていた。
オーランドは自分のことを「いつもイライラ怒ってばかりいた子供」と語りました。多動な面も持っていたようです。「障害のせいで自分をバカに感じる」反面、「自分はバカじゃない」ことが解っていた、相反する意識がありました。でも結局「読めない、書けない」ことに葛藤を感じていました。
オーランドの母親は彼に障害に前向きになってほしくて、オーランドにある提案をします。
母からの愛ある提案「本が50冊読めたらバイクを買ってあげる」
オートバイが大好きだったオーランドに、母は「もしバイクがほしいなら、本を50冊読みなさい。
読めたらバイクを買ってあげる」と提案しました。オーランドは努力しましたが、結局読めませんでした。彼の母は常に「この詩を読めたら5ポンド」というように「ご褒美」を提示してオーランドが文字を読むことに興味が持てるように仕向けました。
オーランドは常に、ディスレクシアを「ギフト」だと語ります。他の人と脳の使い方が違うからこそ型にはまらない考え方ができる、表現が困難だからこそ想像力が鍛えられるんだと考えているのです。
世界中の人がオーランドを知るようになった今でも、彼の困難はまだ残っているようです。
台本を読むのに人の何倍もの時間がかかります、時間がある時には文字を読むようにし、黄色や緑の紙だと読みやすいことを知って、アシスタントに書き直してもらっているそうです。彼の弛まぬ努力がスクリーンでの彼の魅力になっているのでしょう。