天才プロデューサー・秋元康のヒットを生み出す方法論がスゴイ!多くの人を感動させる方法とは?

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人が感動するものは変わらないから絞ることが大事

2016年11月12日、日経BP社が主催する「TREND EXPO TOKYO 2016」2日目の講演で、AKBグループや坂道シリーズの総合プロデューサーで作詞家の秋元さんが登壇。

「価値観が多様化し、マスが存在しないと言われる今、多くの人を感動させるコンテンツをどのように創り出し、発信していこうと考えているのか」

その方法論について語ります。

秋元さんは冒頭で、

「人が何に感動するのかという点ですが、これは昔からずっと変わっていません。僕が子どものころから、そして58歳になった今でも、何も変わっていないんです……」

「何が変わったのかといえば、以前にも増して感動したことを人に伝えたい時代になったのではないかなと思います」。

ここで秋元さんは、新海誠監督の長編アニメーション映画で2016年公開し大ヒットした『君の名は。』の映画についてこう語ります。

「あの映画を見に行って感動した人は、それにとどまらず、人に話し、語り合い、SNSなどで拡散する…そこでようやく全てが完結する。今は、シェアするところまでを含めて“感動する”ということなんじゃないかと」

秋元さんがテレビ業界に入ったのは今から41年前のこと。
当時、子どもから年配の方を楽しませる、いわゆる最大公約数を狙ったコンテンツ作りが求められたそうです。
しかし、今は最大公約数を狙うのではなく、ターゲットを絞り込んでいくべき時代と指摘します。

多くの人を振り向かせるコンテンツをどう作るか。秋元康の方法論

さらに秋元さんは、多くの人を振り向かせるコンテンツを、どう作っていくべきかに話を進めます。

 「ある1人が、むちゃくちゃ感動し、すごく良かったと感じる。それは100人の人がいいなぁと思うものではないんです。99人は分からないんだけれど、誰か1人にはめちゃくちゃ刺さって、誰かに語りたくなる。その感動がだんだんと広がっていくときに、ヒットが生まれるんじゃないかと思います。だから、誰か1人の個人的な思いが、ヒットの核になるんじゃないかと」

秋元さんはよくスタッフに「記憶に残る幕の内弁当はない」と話すそうです。つまり、いろいろなものが入り、どれも楽しめるといった飽和したサービスは、今の時代、話題にもならないし、感動も呼ばないということです。

しかし、たった1人を感動させることは簡単なようでとても難しいもの。

例えば究極のハンバーグ弁当を作ろうとスタートした企画に、誰かが「魚も必要では」「野菜も欲しい人がいるだろう」と言い始めると、多くの場合、最終的には幕の内弁当のようなものになってしまう。

 「新しい物を作るということは、結局は勇気でしかないんです。先人たちの失敗を踏まえて、我々が安全な道を行くと、それなりの物にしかならない。でもそこで、こんなことがあり得るのか、という道に行ったときこそヒットが生まれる」

さらに続けてこう断言します。
「自分が感動すること」「自分が感動する物を作るべきだ」

大切なのは、その感動を一番身近な人に伝えて感動を伝播させること。タレントであればマネージャー、スタッフであれば奥さんや家族などを感動させる。その感動が、どんどんドミノ倒しのように伝わっていったときに、「最終的にはオーディエンスに伝わるものなんだ」と自身の方法論を締めくくります。

秋元さんのヒットを生み出す秘訣は、自身の感性を研ぎ澄まし、小さな変化を捉え、前人未到の領域であれ前に進む勇気があるから。

こうして『人を感動させること』ができてはじめて『感動』は作り出されるのですね。
常に探究心を持ち続ける秋元さん、流石だと思います!