2、3日飲まず食わずでも人間は命に別状は出ません。
しかし、そこに被災という異常事態が重なると、その苦痛はストレスへと直結します。
ストレスは無駄に体力を使い、マイナス的な考えに陥りやすくなります。
食料は手に入ったとは聞こえがよく、即食べられそうなものは
ハム、梅干し、リンゴジャム、葉唐辛子の佃煮、コップ1杯分ほどの麦茶が入ったペットボトルでした。
飲み物が圧倒的に足りませんでした。
結果として、流されて体力の落ちた男性、彼女のばーちゃんを重点に食料を渡し、
僕は梅干しで食いつなぎました。
これがよかったらしく、梅干しの種を飴玉のようにずっと口の中で遊ばせているだけでも、
何とも言えない癒しになっていました。
しかし、このままでは心が折れてしまうのは時間の問題でした。
何よりも年寄りがいる、という状況。
布団に横になってはいましたが、明らかに生きる気力が落ちていました。
意を決し、僕は助けを呼びに家を出ることにしました。
3.13、朝のことでした。
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