男「命をかけるってことが、フィクションの世界だと美しいものとして描かれることがありますよね?」
男「おそらくそういう影響なんじゃないですか?」
女「ああ、自分の命よりも大切なもの……みたいな?」
男「そうです」
女「そうですね、きっとわたしはそういうのに憧れてたんですね」
男「僕も死ぬ前は、そういうのに憧れてましたよ」
女「今は?」
男「言わせないでください」
男「フィクションにおける主人公とかは、そういう命をかける場面に遭遇したりします」
男「そういうのに、昔は僕も自己投影してたりしてました」
男「でも、今はみっともなくても、みじめでも」
男「生きたいって懇願する人物のほうに、ついつい共感してしまうんでしょうね」
女「漫画とかに出てくる仲間を売って自分だけ助かる、みたいな悪役とかですか?」
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