女「とても重要なことでしょう?」
男「まあ重要じゃないとは、言いませんけど」
女「お嫁に行けるか行けないかの問題でしたからね、わたしにとっては」
男「お嫁?」
女「……ひとつ、わたしの憧れてたことの話を聞いてくれません?」
男「憧れてたこと、ですか。どうぞ」
女「わたし、大学生になるぐらいまで、ドラマチックに死にたいって思ってたんです」
男「変わってますね」
女「はい、自分でもそう思います」
女「世界の終わりに好きな人と寄り添って死ぬとか」
女「自分の命を使って、誰かを助けて死ぬとか」
女「なんか、そういうものに憧れていたんです」
女「生きてみじめな姿をさらすなら、自殺したほうがマシ」
女「けっこう本気でそう思ってたんです。いえ、昨日までずっと……」
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