この時点で、お兄さんにはお礼を言って帰っていただいた。
警察が来るまでの間に各々の氏名や役職などを聞かれていたとき、第二の事件(?)が発生。雰囲気が違いすぎてたのと、冷静じゃなかったのと相まって気付かなかったけど、痴漢のおっさん・・・数時間前に私が就活しに行った会社の面接官だった。
さっきまで諦めてしょぼくれていたおっさんが、それを知った途端に態度急変。
「俺を警察につきだすなら、お前は不採用確実だな!」と怒鳴りだすおっさん。
でもその時の私はテンションが一周回って驚くほど冷めてた。だから「そうですか。それは困りますね」と返した。それを聞いて何故か勝ち誇った顔で帰ろうとするおっさんを車掌さんに止めてもらう。
私「帰れませんよ、通報してるんですから。」
おっさん「はぁ?だから、俺をつきだすと不採用にry」
私「それは困りますね。そうされるつもりなら、こちらも被害届を取り下げることはできませんね。」
おっさん「だーかーら、出すなって言ってんだよ!頭がおかしいのか!?」
私「頭がおかしいのは貴方でしょ。どうせ貴方を見逃してもそちらに受かる確証はないじゃないですか。それに、仮に内定が出たとしても犯罪者がいる会社なんて怖くて働けません。」
おっさん「なっ・・・!?お前、いい加減に・・・」
私「それに、被害届が嫌なら裁判でも構いませんよ?どうせ入れない会社の社員に前科が付こうと、こっちはどうでもいいんですから。」
おっさん、キレて私の髪の毛を掴んで殴りかかろうとする。車掌さんたちと、やってきた警官の人に取り押さえられるおっさん。まだ何か喚いてたけど、痴漢と傷害で被害届出させていただいた。
結局奇跡的にその会社から内定は貰えたんだけど、他の会社に就職した。
その会社に入社した友人から聞いた話しだけど、さのおっさんは地方に左遷されたらしい。でも本社では今なお「会社の品位を貶めた恥さらし者」として、上司が自分たちに説教する際、悪い例として出される存在になっているらしい。