半ばふてくされ気味に「坂倉・・」と告げ
そのまま少しの間があくが
二つ目の言葉は彼の口から出てこない。
先生が「趣味とか特技は?」と聞いても
「別に・・」と、小さい声でつぶやく。
横に座ってるブス女は「声もかっこいい」などと
鼻息を荒くし、ノ~トを広げ
おもむろに「坂倉 ブス子」と書き
名字と名前のバランスを心配していた。
「席どこ?もういいでしょ先生?」と坂倉は告げると
舌うちしながら席につく。
俺はこの坂倉の態度が鼻についた。
バカ女達がイケメンとのロマンスを妄想で繰り広げるには
もってこいのオカズになりえるルックスだ。
やや悪ぶった態度がさらにメスの本能を刺激させて
脳みそをイカれさせるには十分。
いいオカズをもらい、尻尾振って喜ぶ発情期のメス犬共。
こいつらの声援はどうでもいい。
俺はこの舐めた態度にランドセルを背負わず
肩掛けバッグでやってきて
どこの角度から見ても生意気なこいつをしめる!と
一人意気込んでいた。
俺は当時クラスで一番喧嘩が強く
番長的な存在だった。
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