そこには1枚のメモと10万円が入っていた。
貧しい母に苦しい捻出だったに違いない。
申し訳ない気持ちと有り難い気持ちが交錯する。
メモ書きを見た。そこには・・・。
「元気でいてくださいね。お野菜はちゃんと食べてくださいね。あなたはいつまでも
母さんの子供です。」と書いてあった。
引越し業者にバレずに、声を押し殺して泣くのは大変だった。
17: :2008/06/17(火) 06:11:52.51 ID:
第2章 まりあとの出会い
「二宮光輝」
俺は郵便受けと部屋のネームプレートに出来るだけ丁寧な字でそう書いた。
こういうことはキチンとしたい。
新しい暮らしを始めるにあたって、俺はそれを1番にすることに決めていた。