惜別のホームラン
フェルナンデス選手が急逝した翌日、対メッツ戦。ディー・ゴードン内野手は本来は左打者なのに初めは右打席に立ち、初球を見送りました。その後、ヘルメットをバットボーイに渡すと通常の左打席に戻ります。初球は打撃も大好きだったフェルナンデス選手を悼むものでした。左打席に戻ったゴードン選手は３球目を快音とともにライトスタンドに運びました。本来は俊足のゴードン選手が号泣しながらゆっくりとベースを一周する姿にベンチのチームメイトも皆号泣しました。
「もう君はいないんだな」
イチロー選手は7回2死一塁の場面で打席に立ちました。フルカウントから直球を左前方に2死一、三塁とチャンスを作るも後続が倒れ得点とはなりませんでした。試合終了後、イチロー選手は
「今日1日が終わったら、やっぱりいないんだな、という感じですね。本当なんだって・・。」
と静かに語りました。
生前フェルナンデス選手はイチロー選手を敬愛し「キューバでは神様」と話していました。
二人は親子ほどの年の差がありましたがいっしょのときは、いつでもチームメイトだったのです。
