ビデオを止めたおばさんが、衝撃の言葉を発した。
「この子供があなたなの」
「え?!」
全身から血の気が引いた。
何も言えない俺におばさんは続けた。
「裕子は今のあなたと同い年だったわ。
保育士を目指してた。
子供が好きだったあの子のこと、
私は何も不思議に思わなかった。
あなたの両親には泣きながら、
何度も何度も頭を下げられた。
そんなあなたの両親に、私はひとつだけ
約束をしてほしいと頼んだの。
あなたは当時2歳。
あなたにだけはこの事実を
隠し通してやってほしい。
娘もそう願っていると…。
だから今日あなたのお母さんから、
電話があった時にはびっくりしたわ。
自暴自棄になっているあなたに
すべてを話してやってほしいと言うのだから。
もちろん、あなたに恩を着せるつもりはなかった。
ただあなたが今、道に迷っているなら、
きちんと話そうと思ったの。
あなたの命はあなただけのものではない。
あなたの何気なく生きる瞬間は、
裕子があなたに命を捨てて授けた瞬間。
どうか真っ直ぐに生きて…」
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