自分の命が1人の女子高生によって守られていたことを、俺は18歳になるまで知らなかった・・・

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ビデオを止めたおばさんが、衝撃の言葉を発した。

「この子供があなたなの」

「え?!」

全身から血の気が引いた。

何も言えない俺におばさんは続けた。

「裕子は今のあなたと同い年だったわ。
 保育士を目指してた。
 子供が好きだったあの子のこと、
 私は何も不思議に思わなかった。
 あなたの両親には泣きながら、
 何度も何度も頭を下げられた。
 そんなあなたの両親に、私はひとつだけ
 約束をしてほしいと頼んだの。
 あなたは当時2歳。
 あなたにだけはこの事実を
 隠し通してやってほしい。
 娘もそう願っていると…。
 だから今日あなたのお母さんから、
 電話があった時にはびっくりしたわ。
 自暴自棄になっているあなたに
 すべてを話してやってほしいと言うのだから。
 もちろん、あなたに恩を着せるつもりはなかった。
 ただあなたが今、道に迷っているなら、
 きちんと話そうと思ったの。
 あなたの命はあなただけのものではない。
 あなたの何気なく生きる瞬間は、
 裕子があなたに命を捨てて授けた瞬間。
 どうか真っ直ぐに生きて…」

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