今年1月に亡くなった、松方弘樹も負けてはいない。
「ダウンタウンが東京進出を果たしたばかりの頃、打ち上げをしているところに通りかかった松方が、“頑張ってるね。スタッフと(面白いこと)どんどんやりな”と、100万円の束をポンと置いていったそうです」(キー局関係者)
「時代劇特番のロケの最終日に取材に行ったら、スタッフに加え、僕ら取材陣にも声をかけてくれて、総勢100人超で打ち上げ。さらに、松方さんはテーブルを回って“お疲れさん”って乾杯してくれる。この費用はすべて松方さんのポケットマネー。当時、松方さんの1時間のドラマ出演料が500万円という時代でしたけど、なかなかできることじゃありませんよ」と芸能リポーターの城下尊之氏も語る。
松方さんが趣味のマグロ釣りを活かした「萩クロマグロトーナメント」で325キロの巨大マグロを釣り上げて優勝したときには、
「翌日、松方さんのマグロは築地の競りにかけられ、プレミア価格がついて437万円の高値で落札されましたが、一緒に漁に出た漁師さんに半額をポンと渡し、残りも、港の人たちを呼んでの宴会で、一晩で使い果たしたとか」(番組関係者)などの伝説もある。
関西では、太っ腹で知られる大物歌手・やしきたかじんもゴーカイな男だった。
「ラーメンを食べても、たこ焼きを買っても、支払いは1万円札でおつりを受け取らないというのは、関西では有名な話です。無類のワイン好きで、クラブに行くと、高級ワインをポンポン空け、“オーパス・ワン(クラブでは15万円はくだらない)2本ぐらいうがいのようなもの”と言い、仲間と1本100万円というワインを飲んで、大いに盛り上がるのが好きでしたね」(関西のテレビ関係者)
女性代表では、美空ひばりのゴーカイさもひけを取らない。
「ひばりさんは、来客があると、その人が好きなタバコの銘柄をリサーチして、それを応接間の戸棚にギッシリと並べて、“いつでも吸いに来なさい”と迎え入れていたそうです。当時はなかなか手に入らなかった洋モクでも、探して出して何百箱と用意したというから、相当な金がかかっていたと思います」(芸能関係者)
忘れてはならないのが石原裕次郎率いる石原軍団
「『西部警察』をやっていた時期の景気の良さは、すさまじく、ロケが続いてスタッフの疲労がたまってくると、旅館の大広間に全員を集め、裕次郎さんが、お小遣いとして1万円札で作った紙飛行機を飛ばしていた。ただ、あまりに品がないということで、その後は封筒に入れての手渡しになったそうですが、スタッフの数が2~300人でしたから、大変な額になったはずです」(ワイドショー関係者)
前出の城下氏は、裕次郎さんが亡くなったあと、渡哲也(75)が社長の時代でも豪快な差し入れは引き継がれていると語っている。
「真冬のロケが続いたある日、スタッフの一人が、“石焼き芋食いてえな”とつぶやいたのが、人づてに渡さんの耳に入ったそうです。すると渡さんは“新車を用意しろ”と、石焼き芋移動販売車を買って、現場に届けさせたそうです」
もちろん、スタッフたちは大喜びで、ほくほくの石焼き芋を楽しんだという。「スタッフのやる気を引き出すとともに、それが伝説となって軍団の名声を高める。一見、ただ豪華に見えて、実は、お金の使い方が、よくわかっていらしたんですよね」(城下氏)
昭和の大スターたちの豪快な差し入れ伝説だが、現代の芸能人たちも負けてはいない!!
現代芸能人篇
豪華ビンゴ大会にスタッフも大興奮
今や『バイキング』(フジテレビ系)でお昼の顔となり、他のバラエティ番組で引っ張りだこの坂上忍(49)
「ギャンブラーとしても知られる坂上は、毎年、年末のボートレースにその年に稼いだ金の大半をつぎ込むことで有名。15年の年末には600万円も負けて、平和島ボート場で泣いたとか。14年の年始には“フェラーリが買えるくらい負けた”ようで、3000万円はイかれている。これまでに3~4億円はスッているとも言われています。翌年の仕事のモチベーションにするためとはいえ、ゴーカイすぎます」(前同)
ところが、彼がゴーカイなのはボートレースだけではなかったのです。
「今年の新年明けの『バイキング』の放送後、裏方のスタッフに、1等20万円、2等10万円、3等5万円の“お年玉抽選会”が行われたんです。これが、月~金の全曜日で行われたそうで、賞金は、もちろんすべて坂上の自腹。その合計は175万円以上。お年玉を渡した後、“今年もご迷惑をかけることが多々あると思いますが、どうぞよろしくお願いします”と頭を下げる坂上に、一同、感動していましたね」(番組関係者)
感動の差し入れも!!
元SMAP(スマップ)の中居正広(44)の差し入れには美学が感じられる。
「昨年末、解散とともに、終了した『SMAP×SMAP』のスタッフに、感謝の気持ちをこめて、NIKEのスニーカーをプレゼントしたそうです。それが、約200人のスタッフ全員に届けられたといいますから、合計350~400万円。全員のサイズにぴったりで、名前入りのオンリーワンのプレゼントに、涙したスタッフも多かったそうですよ」(フジテレビ関係者)
3月に行われたWBCでは、「侍ジャパン公認サポートキャプテン」を務めた中居は、選手全員に、試合前のリラックスに役立ててほしいと、約4万円相当の高級ヘッドホンをプレゼントしたことも伝えられている。
「こちらも全員の名前と背番号入りだったそうで、選手たちの士気を大いに高めたといいます」(前同)
俳優の大泉洋(44)も「12年のドラマ『ラッキーセブン』(フジ系)の現場に、1匹200万円の大間のマグロを差し入れたことがありました」(同)と意外なエピソードがある。
普段は可憐な女優陣たちも、競いあうようにゴーカイ伝説を残している。
有名なのは、米倉涼子(41)。人気ドラマ『ドクターX』(テレビ朝日系)の現場では、「1つ5000円もする、叙々苑の最高級焼肉弁当や、木箱に入った1個1万2000円の千疋屋のマスクメロンといった差し入れが、100個、150個という単位で届けられるそうです。また打ち上げのビンゴ大会には、50万円の商品券をポーンっと提供したそうですよ」(ドラマ関係者)
負けてられないのは、同じ“涼子”でも、篠原涼子(43)。
「大きなフカヒレがのった1個3200円の“フカヒレ姿煮弁当”や、トラックごと出張カフェを差し入れしたこともあった。夏の現場には、冷たい飲み物がギッシリ入った大型冷蔵庫が届けられたこともあったそうで、スタッフの間では今や伝説です」(前同)
最近では一番のゴーカイさをアピールしているのがEXILEの元リーダー・HIRO(47)だ。
「利便性の悪い島根の人里離れた山奥で、3か月に渡って行われた、HIROさんプロデュース映画『たたら侍』のロケの現場に、コンビニ1軒を作ってしまったというんです。“プレハブのような簡易的なものです”とのことでしたが、かつての派手な映画界を知る津川雅彦さんが“感動した”とおっしゃっていましたから、立派なコンビニだったんでしょう」(芸能リポーターの川内天子氏)
このように芸能界では、一般人である我々では想像できないほどの高額差し入れが行われている。
夢を見せるのが商売である芸能界ならではの話であろう。