トミー・ジョン手術とは?
トミー・ジョン手術とは“損傷した靱帯を切除したうえで、患者の反対側の前腕や下腿、臀部、膝蓋腱などから正常な腱の一部を摘出し移植することで患部の修復を図る。”手術のことです。
出典:wikipedia
野球選手の中でも特に投手に多く、投球の際に肘の側副靭帯に大きな負担がかかることが主な原因だとされています。
トミー・ジョンさんが一番最初にこの手術を受けた際、成功率は1%未満と言われていたこの手術ですが、現在では医学が進んだことで成功率90%以上までになりました。
しかし成功率は上がったとはいえ、自分の腱を移植するという大手術。身体が資本の野球選手にしてみれば手術を受けるかどうかの選択は人生を左右する大きな決断と言えます。
そんな、自分の今後を決める手術を前にダルビッシュさんは…?
ブログで語られた内容とは?
ここで、ダルビッシュさんがブログで綴った内容をご紹介します。
“明日右肘内側側副靭帯移植手術を行ってきます。
右手首にある腱を肘に移植します。
復帰までは一年になります。
思い起こせば小、中、高と痛みに弱く身体を痛めやすい体質でした。
それが2005年にプロ入りし今まで10年たくさん投げてきたと思います。
プロ2年目の途中までは身体的、精神的にも弱かったですが色々自分で気付けた事で色々工夫し、ここまで来られました。
そしてそれを支えてくれたのが身体、特に右腕でした。
ファンの方々に見せてきた色々な姿も全てこの右腕があったからこそでした。
その右肘の靭帯と共に生きるのも今夜が最後です。
寂しいですが、残念ではありません。
こんなとこまで連れて来てくれたのですからもう本当に感謝しかありません。
それと同時に自分の中では何か一つの終わりを感じています。
手術が終われば何かが終わり、また新たなものが始まると思います。
この手術は100パーセント帰ってこられるわけではありません。
帰ってこられない可能性もあるのです。
ただ強がりではなく不安も怖さもありません。
20歳の時に決めた事があります。
「いつ終わってもいいようにどんな事にも妥協だけはしないでおこう。」です。
それを今まで1日たりとも欠かさず守ってきました。
なので今までの野球人生に悔いはないのです。
もちろんファンの皆さんの前に戻りたい気持ちはあるので、色々な事を試しながら最大限の努力はします。
ですが今の正直な心境は落ち着いていて、前を向いてしかいないと言うことです。
次に見る「ダルビッシュ有」は前より強いかもしれませんし、弱いかもしれません。
その”結果”がどうであれ”結果”に向かうリハビリと言う”過程”においては絶対妥協はしませんし、タダでは手術はしません。
これは”ダルビッシュ有の始まり”か”ダルビッシュ有の終わり”かはまだ判別がつきません。
ただ愛する”野球界の発展”に繋がる事は確実だと考えています。
今まで応援してくださった方々、本当にありがとうございました。
明日の手術頑張ってきます。
自分は生まれ変わってもまたこの靭帯と一緒になりたいです。
今までありがとう(^^)”
不安な気持ちをにじませつつも、「いつ終わってもいいようにどんな事にも妥協だけはしないでおこう。」「前しか向いていない」「自分は生まれ変わってもまたこの靭帯と一緒になりたい」という言葉から前向きに自分の身体と向き合っていることがひしひしと伝わってきます。
確固たる決意をもって臨んだ手術。
手術は成功し、ダルビッシュさんは長期間のリハビリを経て見事に復帰したのです!
そして今年、2017年3月、ついに今シーズンの開幕戦で先発マウンドに上がることが発表されたのです。
実にトミー・ジョン手術を受けてから2年の月日が経っていました。
見事に手術とリハビリを乗り越え、以前にも増してパワーアップしたダルビッシュさん。
これからの活躍も見逃せませんね!