これまでのイメージを打破
ドラマの内容は、波瑠さんが演じる美都(みつ)は、友人の誘いで婚活を行いながらも、本当は運命的な出会いとトキメキを経て結婚したいと考えている女性。しかし、二人の占い師から“2番目に好きな人と結婚すると幸せになれる”と言われ、ショックを受ける。そして、一途に好意を寄せてくれる生真面目な涼太(東出昌大)と結婚したが…
その矢先、初恋の相手で常に心の片隅で忘れられないでいた同級生・有島(鈴木伸之)と再会。いけないことだとわかりながらも、彼と逢瀬を重ねるようになってしまう。ドラマの題名からも想像できるように、幕開けからドロドロしそうなストーリー展開。
波瑠さんの代表作といえば、ブレイクのきっかけとなったNHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」ですよね。苦難に負けない元気なお転婆娘・あさ役をはじめ、これまでの彼女の役のイメージは、どこかマニッシュで快活なものが多い中、今回演じている美都は、波瑠さん自身も「えぇ!」と驚いたと語るほどに“女”を全開にした役どころ。彼女の中性的な魅力が、これまでは最大限に生かされ、ベタな恋愛シーンや心理的につらい場面でも、ある種の透明感を持って爽やかに観ることができましたが、今までとかなりギャップがある今回のドラマ。波瑠さんの新しい魅力が発揮されています。
破天荒な主人公でも共感
波瑠さん演じる主人公美都は、プロポーズを受けた後の寝所だというのに「ときめかない…」と嘆いてみたり、結婚に迷って有名な占い師のもとに駆け込んでみたり、初恋の人に会った瞬間に、それまでに見せたことがないほど激烈にテンションを上げてみせたり。普通にこんな女性がいたら、男女問わずツッコミたくなるフワフワとした女性だし、視聴者からは嫌われ街道まっしぐらな役柄ですが、なぜだか1話を見終わった現時点では、不思議と美都への嫌悪感が生まれない。
むしろ、かつて初恋の人に言われたことを気にして、しきりに二の腕を触る仕草をしたり、再会した想い人にやや頬を紅潮させながら「ポテト一緒に食べて」と甘える場面などは、無邪気に可愛らしく思え多くの女性たちも共感してしまうところも。さらに、1話のラストでラブホテルに入ることを決意したとき、美都の大きく見開いた上目遣いは、思わずゾクリとするほどの女性の強さと美しさが感じられました。
まだまだ、見逃せない
そんな、波瑠さんの演技にSNS上でも「キレイ」「透明感がすごい」といった波瑠さんの美しさを評価する声が多く、二桁という一定の評価を得られたのは、ストーリーの面白さに加え、そんな彼女の演技力の賜物ではないでしょうか。「これまでとは異なる役柄で新境地に挑む波瑠さんにご期待ください」とアピールしていた佐藤敦司プロデューサー。“不倫に身を落とす”という波瑠さんの新たな顔を見せ、今後どんな悪女になっていくのかが見どころの一つです。しかし、波瑠さんが演じるからこその嫌悪感のない、ドロドロシーンが見られるのではないかという期待値も高い。
普通、主人公を演じるとなれば並々ならぬプレッシャーと気合が必要になりそうですが、自然と波瑠さんにはそれを感じさせない、むしろ自分を客観的に見つめられる強さがあるように思えます。こうしたフラット感こそが、彼女の演技の魅力につながっているのでしょう。2話以降は夫の嫉妬に加えて有島の妻も絡んでくる、本格的な泥沼四角関係に発展。美都自身もさらにズブズブと不倫にハマっていってしまう、しかし、そこでの波瑠さんがまたどんな“共感できる女の顔”を見せてくれるのか、楽しみですね。