北野映画との共通点も多く見られる『たけしの挑戦状』
当時、ビートたけし全面監修のもとに制作されたという『たけしの挑戦状』は偶然にも“フライデー襲撃事件”の翌日に発売されたという。内容は、うだつの上がらないサラリーマンが、謎の老人から渡された宝の地図を手に海外に飛び立つというストーリーを軸に展開し
「妻と離婚する」
「会社に辞表を出す」
「宝の地図を日光にさらして1時間待つ」
などもはや謎解きと呼べるか分からないような難解な仕掛けが多く盛り込まれ、途中で挫折するユーザーが続出した。
簡単には前に進めない様々な仕掛けは、まさに、たけしからユーザーへの“挑戦状”となっていたのだ。その制作の経緯について、以前、ORICON NEWSがタイトーに取材を行った際、当時の制作スタッフは次のように語っていた。
「当時、たけしさんがゲームに凄く興味を持たれていて、たけしさんサイドからお話を頂いたんです。
新たな“表現の場”としてテレビゲームに興味をもたれたのだと思います。
たけしさんの映画の中でも一見、無駄なことと思えるような不条理な展開ってあるじゃないですか。
それって“たけ挑”も同じなんですよ」
ヤクザ映画の多いたけしだが、商店街でヤクザと戦うシーンがあるなど、ゲームにも独特のたけしワールドが多数盛り込まれていたという。
当時、ゲームの攻略本を見ても簡単には解くことが出来なかったという本作は、ネットでの情報が主流となっている現代においてはどのように解かれていくのだろうか。
当時感じたファミコンソフトを買う時のドキドキ感など、ノスタルジックな追憶に浸れるという点も含めて、難解な謎解きゲームのファンにとっては夏の販売スタートが待ち遠しい決定となっている。