芸人としてのピンチを高倉健に救われる岡村
あまり笑わないイメージの高倉さんですが実はお笑い番組が大好きで、その中でもビートたけしさんや志村けんさん、
そして岡村隆史さんのファンを公言していました。
1999年、ナインティナインの岡村隆史さんは「無問題(モウマンタイ)」という映画に主演。
日本アカデミー賞の話題作品部門を受賞します。その会場には高倉さんもいらっしゃいました。
そのときに「俳優としてどうなりたいか」という質問を受け、岡村さんは芸人さんらしく「高倉健さんのようになりたい」とジョークを飛ばします。。
しかしアカデミー賞は映画や俳優を評価する場所。
そこでお笑い芸人が偉大な高倉さんの名前をジョークで出したということで会場には「何を言っているんだコイツ・・・」という空気が流れたそうです。
しかし高倉さんは不快に思うどころか立ち上がって岡村さんに拍手を送ります。その高倉さんの行動で会場も、なごやかな雰囲気になり、岡村さんは「失礼なことを言ったのに・・・高倉さんに助けられた」と語っています。
空き巣犯にも響く高倉健の言葉
2004年にも岡村さんは高倉さんに助けられたそうです。それも高倉さん本人ではなく高倉さんが書いた手紙によって。
2004年に不幸なことに空き巣に入られてしまった岡村さんですが、家の中が荒らしまわった形跡があるのに何も盗まれていないことに気が付きます。
そして岡村さんが高倉さんからもらった大事な手紙をしまっていた金庫にはなぜか鍵が掛かっていました。
岡村さんは鍵を掛けた記憶はないそうです。
岡村さんはあくまで「仮説」とした上で、空き巣に入った犯人がこの手紙を読んだことで自分のしていることの愚かさに気付き、何も盗まないで帰ったのではないか?と予想しています。
手紙の中身はものすごい量の文章で、「頑張りすぎるな。自分のやりたいことをやっていればお金は後からついてくるから」
と忙しい岡村さんを気遣う内容で、これが犯人の心にも響いたんじゃないかということですね。
病気を治すきっかけを与える高倉健
そして2010年、多忙な岡村さんはとうとう頑張りすぎて精神と肉体を壊してしまい、病院に入院してしばらく活動を休止してしまいます。
高倉さんはこのときも岡村さんを気遣ってくれ、留守番電話にメッセージを残し、とある本と手紙を送ります。
その本は高倉さん自身も迷ったときや辛いときに読む本だそうで、高倉さんの手によって「ここを読みなさい」とラインが引いてありました。
岡村さんは当時文字を読むことすら難しい状況だったそうですがその文を何度も読み返し、さらに本全体を読むことで徐々に症状を回復させたそうです。
残念ながら2014年に亡くなってしまった高倉さんですが、岡村さんは今でも高倉さんに貰った手紙や本を大事にし、連絡先も何があっても絶対に消さないと仰っています。
岡村さん曰く高倉さんは「自分にとって神様みたいな人。命の恩人」だそうです。