「メイがお父さんやお母さんのことを、憶えていてあげなきゃどうする?なんでそこで俺に遠慮するんだ?俺がそんなことで、メイを追いだすとでも思ってるのか、遠慮なんかすんな、バカ。もっとお父さんやお母さんのことを教えろ。俺の兄貴と義姉さんでもあるんだぞ。」
こんなようなことを言った、と思う。
多分、同居を始めてから初めて怒鳴ったと思う。
で、メイ泣きながら謝る。
「謝んな」
って言いながら泣きそう。
その後、シチューは定番になりました。
シチューの件を思い出すと、ちょっと今でも切なくなるな。
ちなみにそれ以前は、
メイが自分から両親の思い出なんかを話すことはなかった。
ずっと遠慮していたんだと思う。
でもそれ以降はそんなことはなく、
よく話してくれるようになった。
それ以降は特に大きな出来事もなく高校進学。
メイ16歳高2、俺30歳の年、
マサトのおっさんにある出来事が起こる。
なんとマサトのおっさんに彼女ができる。
おっさんにとっては10年ぶりのカノジョである。
付き合う前に、
俺の家庭の事情については話していたし、
付き合いだしてから何度か家に招待して、
メイと一緒に食事したりもした。
美紀(彼女仮名)とメイも仲良くなって、
電話とかメールをしたりもしていたらしい。
交際は1年ほど続き、本気で結婚を考えた。
メイにもそう考えていることを話し、賛成してくれた。
ある時なんぞ、メイの方から
「社長娘と土日は遊んでくるから、マサトおじさんも美紀さんとデートしてきたら?」
なんて言いやがったこともあった。
そんな有頂天なある日、美紀から恐ろしい質問が。
「私とメイちゃんのどっちが大事なの?」
冗談混じりの問いかけなら良かったかもしれない。
だけどあいにく、ごく真面目な問いかけだったようだ。
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