メイは俺と会った後はすごく元気になるらしい。
しかし、そのことが施設にいる他の子供、特にリーダー格の年上の女の子から疎まれるようになったというのだ。
基本、この施設にいる子どもたちは、
保護者がいなかったり、虐待を受けたりで、
親や親族と会うことのない子供たちだ。
そんな中、メイにはいつも親族(俺)が会いに来て楽しそうにしている。
「なんでお前だけが!」
となり、虐めの対象となった。
施設職員と今後の話し合いをしたのだが、
その時に言われたのが、
「メイと会う回数を極端に減らしてくれ」
とのこと。
「他の子たちと差が出ないようにしたい」
とのことだったが、
俺にとっては、残されたただ1人の大事な身内だ。
とても了承しがたい。
しかしその方がメイのためになるなら、としぶしぶながら納得。
そのことをメイにも伝えたんだ。
そうしたらメイが突然泣き始めた。
嗚咽しながらこんなようなことを言ったんだ。
「マサトおじさんは私のことキライになったの?
お父さんもお母さんも誰もいなくなったのに、
マサトおじさんまでいなくなったら、
1人ぼっちになっちゃう。
そんなの嫌だ。
それとココにいるのもホントは嫌で嫌でたまらない。」
会う時はいつもニコニコしていて、
わがままも言わずにいたメイだったが、
やっぱり相当無理をしていた。
当然のことだが。
11歳で突然に親を失ったメイが、
たった1年で立ち直れるものか。
ぐしゃぐしゃに泣きながら、
でもどこかで遠慮してるのか、
いつもならまとわりついて来るのに、
この時は俺から少し離れたイスから、
決して近づいてこようとしなかった。
そんなメイを見て、たまらず俺も泣いた。
そして最近、空想程度に考えていたことを提案した・・・
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