アンドリューは早急に手術を必要としていました。
「アンドリューが助かるには、奇跡が必要かもしれない」
父親がそう言うのを聞いたテスは、あることを思いつきます。
テスは自分の貯金箱を開け、中に入っていた小銭を一度、二度、そして三度数えて確認します。
そして再び貯金箱の中に小銭を入れ直し、それを抱えて誰にも気がつかれないように静かに家を出ました。
家から歩いてそう遠くない場所にある薬局に入ったテスは、列に並んで順番を待ちます。
しかし薬剤師の男性はひとりの男性客と長話をしていて、小さなテスがいることに気付いてくれません。
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