落ち着かせようとしましたが、彼女は先ほどのパニックを引きずっていたようで
あっという間に錯乱してしまいました。
「判った。俺も行くよ」とこっちが折れ、
彼女の家を目指していたとき、彼女のケータイにメールが届きました。
『家族は無事、二階に逃げている』
彼女は子供みたいに大声で泣いていました。
ただ、僕は家が流されないか、不安は残っていました。
彼女に聞くと、家には祖母と母親の二人だけが残っているらしく、
祖母の足が悪いために残る判断をしたようです。
家に行くために、崩壊したオフロード状の道を進んでいくと、まだ津波は到達していないようでした。
車から転げるように彼女が飛びだし、それに僕が続きました。
ちょっとした庭石があったので、そこに飛び乗り海を見ると、もうすぐそこまで津波は来ていました。
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