ちー「・・・うん」上手くいったと思った時、
ばー「私ら邪魔かね」
外野がいることを、本当にすっかり、忘れていました。
外野三人、ニヤニヤしていました。多分、僕も向こう側にいたらニヤついていたでしょう。
僕は「行ってきます!」とぎこちない明るさで別れを告げ、ケータイを彼女に渡しました。
充電は少ないけど、電源を切っておけば多少はもつ、と。
手の甲に彼女の番号を直接書き込み、
時間を確認。
確か、10時2、3分。
出発しました。
震災当日は車で移動していたので気づきませんでしたが、避難所までの距離がだいぶありました。
地図は頭に叩き込んだつもりですが、ほぼ当てにはなりません。
追記ですが、僕はこの土地に高校を卒業してから家族で移住。
そのまま就職、毎日勤務と、地元のことがほぼ分からない状態でした。
なので、土地勘もなく地図は脳内、
大体にして「物理的に」道がどこなのかも分からないところを、
ひたすら歩いて行かなくてはいけませんでした。
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