男「意外なことに、僕はのれんをくぐれなかったんですよ」
女「どういうことですか?」
男「原因はわかりません」
男「でも、生きてるときにできないと思ったことは、どうも実行できないみたいなんです」
女「変なの」
男「あと、眠ったりとかもできないんですよね」
男「まあでも、こんなことは本当にささいなことなんです」
男「一番衝撃的だったのは、自分以外の幽霊に会わなかったことです」
女「あなたは幽霊を見たことがないって言いますけど」
女「幽霊の見た目とか、どんなふうかわからなくないですか?」
男「ええ。ですから、あるときからずっと叫んでみたんですよ」
男「『誰か死んだ人はいませんか』って」
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