「夜分遅くに申し訳ありません。…
実は急ぎの用事があってこの辺りで
公衆電話を探していたのですが、
どうしても見つからなくて…」
「もし宜しければお宅の電話を
貸して頂けないでしょうか?」
俺は何だ電話かぁ、
とホッとしたのだが
「…申し訳ありませんが、
こんな時間に見ず知らずの人を
家に上げる訳にはいきません。
どうかお引きとり下さい」
母さんはキッパリと断った。
その時は電話くらい貸してあげればいいのに、
と驚いたが、今思えば当然だな。
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