じっとカーテンの方を睨んでる。
次第に足音が近付いて来るのがわかった。
足音が窓外のすぐ近くで止まった。
怖くてたまらなくなって姉の腰に
ギュッとしがみついた。
しばらくして
「あのぉ…、すいません」
甲高い女の人の声が呼び掛けてきた。
姉は答えない。
俺は目をつむり必死で姉の体にしがみついた。
「起きてますよね?…
困ったコトになったんで、
ココ開けてもらえませんか?」
来訪者が来るにはズレすぎた
この時間帯と、深夜の暗さが
恐怖をあおり、怖い夢でも
見てる感覚になった。
暫くの沈黙の後、
外にいる女が窓に手を掛ける気配があった。
ガタガタと窓が揺れだした時、
不意に姉が立ち上がった。
俺を振りほどいて部屋の引き戸を開けた。
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