来た順路を思い出して、逃走経路を確認して、エレベーターはやばいとか。
俺たちはあくまでも静かに、その店からサーッと逃げた。
雑居ビルによくある踊り場があるタイプの非常階段を、先輩たちは降りていった。
が、しかし俺は何を思ったか(本当に何を思ったのか思い出せない)、トイレに入ってしまった。
トイレに入ってしまった俺は、個室で息を潜めていると、
下の隙間からボーイが来るのが見えた。
ボーイ「お客さーん、どうしました?」
とっさに俺は声色を変えて、吐くフリをした。
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