ヒマラヤン・ブラックベリー
ヒマラヤン・ブラックベリーは関わりたくない植物のうちの一つだ。大型のツツジに似ているこの植物がたった一株あるだけで、陰険な切り裂き魔が半エーカーの地面を覆うことになる。一般的なブラックベリーとは異なり、それぞれの茎は直径約5cmにもなり、サメの歯のように伸びる約2.5cmの長いトゲで覆われている。キイチゴ類のトゲで引っかき傷ができるときがあるが、ヒマラヤン・ブラックベリーに遭遇すると間違いなく救急病院に行くことになるだろう。
これといった害がなさそうに見える草木の中によろけて突っ込んだ際にできた切り傷が、重篤な目の外傷や傷ついた静動脈からの出血などを招く恐れがある。そしてこの有害なトゲがはびこる峡谷を登山者が訪れるせいで事故が多数起きている。体を厳重に保護できる衣類と、粉砕防止のゴーグルは危険物管理者たちのお気に入りの装備だ。そのトゲのついた茎は絡み合うように張力を受けているので、人などが妨害すると跳ね返ってくるからだ。
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