しかし、そこはピアノ教室ではありませんでした。
なんと集会所の空手教室だったのです。
うまく母に嵌められたのでした。
目の前には、筋肉質でヒゲをはやしたおっかなそうな先生がいます。
臆病な僕は、ガタガタ身震いしていました。
空手の先生が、鋭い眼光で僕に声をかけました
先生は、母から僕のことを色々聞いていたようです。
「お前、イジメられたのか?」と聞きました。
僕がうなずくと、
「俺もだ!ガッハッハッ!」と笑い飛ばしました。
「空手をやれば強くなれるから、
イジメられないぞ」
そう言われたのが今でも特に印象に残っています。