学生時代に気になっていた「貧乏な後輩」。しかし時間が経ったことで、それが恋だとわかり…。

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次の日から後輩が店に来るようになった。とっても明るくなった気がした。
親父も昼からはほとんど焼かなかったのに、夕方になって残りが少なくなりそうになったら、
あわてて焼くようになった。結構気を使っているようだった。
風邪をひいても毎日うちに手伝いに来た。
店が休みの時にはうちの掃除なんかを手伝ってくれていた。
いてあたりまえの存在になっていた。
俺はうちから1番近い公立高校に入ることになった。
後輩は高校には行かずに働くつもりでいた。
後輩がうちで今まで通り雇ってくれないかと言ってきたとき
「うちは高卒以上じゃないと雇わない。でも、高校に通いながら働くのだったら雇う。
勤労学生の学費はうちで出す。」と親父が俺の方を見て、ニヤつきながら後輩に言った。
お袋と後輩は「すみません。すみません」「いいのよ。いいのよ」と泣きだす。 
親父は1人うなずいている。 俺はなにが起きたのか分からなかった。
結局、後輩も俺と同じ高校に入学し、中学同様に仲良く生活していた。