男「靴脱いでるし、これから飛び降りるんですよね?」
女「おっしゃるとおり、飛び降りようとしてましたけど。
なんですかあなた?」
男「よかったあ!」
女「はい?」
男「だってそうですよね、ここから飛び降りるってことは」
女「そうですが」
男「飛び降りるっていうなら、その前に僕に抱かれませんか?」
女「はい?」
男「なかなか出会えないんですよね、これから死ぬって人に」女「……」
男「しかも僕は運がいい。こんな美人とめぐり会えるなんて」
女「あの、飛び降りていいですか?」
男「僕の話、聞いてたでしょう?」
女「ええ。」
男「フッ、そうです。僕の目的はただその一点のみです」
男「安心してください」
男「あなたを止める気なんて、僕にはこれっぽっちもありませんよ」
女「帰ってもらっていいですか?」
男「僕に帰る場所はありません。あるとしたら、あなたの胸の中だけだ」
女「もう飛び降りていいですか?」
男「どうして!?」
女「ご自分の胸に聞いてください」
男「いいでしょう。あなたを止める資格は、僕にはない」
男「ただ、ひとつだけ聞かせてもらってもいいですか?」
女「ひとつだけですよ」
男「三日前って白の下着履いてました?」
女「……はい?」