その日からの俺の日常は
今までの暗黒期がウソのように輝き始めた。
いつも何かにせかされているような、
あのドス黒いモヤが晴れ渡っていた。
その新人編集さんとの打ち合わせや、
アシスタント、 どこに行っても皆が優しかった。
仕事も楽しく取り組めた。
ただこれまでのように、
今までの友達とはもう意識的に連絡は取らなくなっていった。
詰まるところ俺を今まで苦しめてきたのは、
俺がこうありたいと願う「体裁」だと
うすうす気付いていたからだと思う。
俺は俺の痛い恥ずかしい過去を知る人間と距離を置き、
全て新しい人間関係に身を投じ、 その心地よさに溺れていった。
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