編集は「よく描けているけども…」
と渋い顔をして俺の原稿をパラパラとめくり続けた
編集は終始暗く、 「特に言うことがない」
というのをごまかすために、 何かを喋っている…
という感じだった。
その言葉の中に好意的なものはなかった。
「アシスタントはしてるの?」と訊かれたので
「T先生ってご存知ですか?」と答えたら。
「ああ〜〜!もちろん知ってるよ!」と上機嫌になった。
彼が好意的になった唯一の瞬間だった。
その時ほどT先生と自分との差を実感したときはなかった。
こともあろうに俺は「悔しいな」とは思わず
「凄いな、T先生は」と思ってしまったのだ。
そして編集が別れ際に言った台詞。
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