一年経って俺はようやく一つの作品を仕上げた。
一般人に比べたら遥かに安い給料で、
どうにかこうにか日々を凌ぎ、
やっとの思いで上げた作品だった。
今までで一番出来のいい作品だったが、
もう俺にはこれが最後の砦だった。
これを上手く連載につなげることが出来たら、
穏やかにT先生のもとを離れることが出来るし、
自分も独り立ちできる。
T先生のいる出版社とは
今まで自分が書いてきてボツを食らった作品を見せたりして
打ち合わせをしてきたけど、
T先生とは正直縁を切りたかったので、
別の更にグレードを落とした出版社に持っていくことにした。
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