アシスタントについては
やりたがる人とやりたがらない人の二通りがいる。
理由は様々だが、俺は後者だった。
眠れないという話は有名だし、安いし、キツイ、緊張もするし、
漫画界での上下関係に巻き込まれるのが嫌でもあった。
別の理由に「アシスタントもせずに漫画家になった」
という人への憧れもあったのかもしれない。
だが、そんな風に努力を放棄したツケは
確実に遅過ぎるタイミングで回ってきた。
今がギリギリ取り戻せる最後のチャンス。
現場は2時間近くかかる場所にあった。
緊張しながら俺は先生の家のチャイムを押した。
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