速く走ろうなんて考えるな
桐生選手にボルト選手は語ります。
スピードを保てばいいのに、さらにスピードを上げようとしている。
大事なことは、トップスピードに乗ったらフォームを保ち、スピードを維持することだ。
多くの選手は、トップスピードから、さらに速くなろうとする。
それでは、速度にテクニックが追いつかず、逆に遅くなってしまう。
トップスピードに乗ったら、それ以上は速くならない。
だからといって「その記録を超えよう」と焦ってはいけない。
速く走ることばかり考えて、逆に遅くなる選手はたくさんいる。
速く走ろうなんて考えるな。「自分の走りをすることだけ」を考えたほうがいい。
NEWS23 ーより引用
ボルト選手の言葉がTwitter上で拡散されると「陸上だけにとどまらない考え方。仕事にも恋愛にも応用できますね」と共感の声が多数寄せられました。
また自ら走り続ける理由を「走ることは楽しみであり、情熱だから」と語るボルト選手。速さを追及するあまりに忘れてしまいがちなことを思い出させてくれる一言だと思いました。
インタビューの最後に、ボルド選手は桐生選手だけではなく日本に対しても贈っています。
最後に1つ、いいかい。日本の陸上界にいいたい。
桐生にあまりプレッシャーをかけないでほしい。
いいか、桐生。自分のために走れ。それが国のためになればいい。
まずは『自分のために走る』。そして『楽しむ』。
それが日本のためになるんだ。決して国のためだけに走ってはだめだ。
NEWS23 ーより引用
桐生選手にプレッシャーをかけないでほしい
9秒台に一歩届かなかった桐生選手に日本人初の100m9秒台という期待がかかるのは当然なのかもしれませんが、当時10代の若者だった桐生選手に「あまりプレッシャーをかけないでほしい」と伝えたのです。
陸上は楽しみであり、情熱であるという信念を持つボルト選手には、桐生選手が過度のプレッシャーと闘っているように見えたのかもしれません。
この言葉に多くの拍手と称賛のコメントが寄せられています。
やっぱり一流のアスリートがいうことは違う。この考え方は音楽や芸術、ほかのスポーツにも共通しますよね。
桐生選手には競技を楽しんでほしい。結果として100mを9秒台で走れたとしたら、これほど素晴らしいことはない!
スポーツに限らない。仕事でも、恋愛でも、私生活でも。いい意味で「自分のためにやる」ということはとても大切なこと。
誰もまだその境地に立ったことのないボルト選手だから言える言葉かもしれませんが、この言葉は陸上界だけではなく、あらゆる場面に当てはまる言葉だと感じたのは私だけではないと思います。
多くの人の心に響いた言葉。誰のためでもない自分のために楽しんで走る。つい忘れてしまいがちな考え方ですが、日常生活を振り返ってハッとした方も多くいたのではないでしょうか。