なだぎ武が芸人を目指したきっかけ。それはある女性のためだった…

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イジメられ続けたなだぎ武

小学生の頃から肥満児としてイジメを受けていました。

それが中学に入ってからエスカレート。
弁当に砂を入れられる。
殴る蹴るの暴行を受ける。
トイレの便器に顔を突っ込まれる…

この頃から学校へは行かなくなりました。
引きこもっている間は、音楽や本に片っ端から手をつけていました。
しかし、親に申し訳なく思う気持ちが強くなっていき、部屋に届けてくれたご飯に手をつけないように。
飲み物と果物しか口にしなくなりました。

ある時、鏡に映った自分があまりにやせ細っていることに驚き、病院を受診します。

「このままでは死ぬよ」

と医師から告げられたなだぎ武さんは引きこもりから脱却することを決意します。

芸人になることに全力で向き合う

吉本の芸人養成所「NSC」に入学した頃のなだぎ武は、それほど本気で芸人を目指していませんでした。

FUJIWARA、千原兄弟、バッファロー吾郎など才能を持った同期をみて自信がなかったのです。
ただ引きこもりの生活から脱却するための経験として、NSCで1年間過ごしていました。

NSCのネタ見せでは一向に受けないなだぎ武さん。
しかし、ある女性だけは別でした。
NSC時代に出会った女性ですが、その女性だけは唯一ネタで笑ってくれたのです。
その時に言われた言葉はこうでした。

「なだぎ君が芸人になったら、私みたいな冷めた人間でも笑かすんやろね…」

その横顔をみて、もしかしたら芸人になれるかもしれないと思い始めます。

希望をくれた女性ですが、緑内障にかかっていることがわかります。
緑内障はそのままにしておくと失明してしまう病気。
女性は手術をするため実家のある高知に帰ることになります。
手術に対してとても不安を持っていた女性。
その女性に対して、なだぎ武さんはこう言います。

「治った目で、俺が芸人になった姿をいつかみて欲しい……」

そして自分の目の前にあるもの。
芸人へと向かう道を、本気で進み始めたのでした。