弟の学費のために頑張っていた橋本奈々未、芸能界引退へ
貧しい家庭で育ったという橋本さん。美術大学に進学するものの、奨学金は学費で消えていき、アルバイトの掛け持ち生活。生活費を切り詰めるために美容院代を節約しようと考えカットモデルも始めます。
しかし苦しい生活は続き、家計を支えるため、そして弟の大学の学費を出してあげたいという思いで芸能界入りを決意します。
当時、人気絶頂のAKB48の公式ライバルとして募集していた『乃木坂46』の1期生オーディションを受けることに。
2011年8月21日に行われた最終審査では、美少女集団の中で、短すぎる前髪とショートパンツで異彩を放っていた橋本さん。見事合格し、デビューを飾ります。
加入時にショートカットだったのは、カットモデルをしていたからなんだとか。
その後、白石麻衣、松村沙友理とともに「乃木坂御三家」と呼ばれるほど人気を集め大活躍。シングルでは自身がセンターを務めた最新曲「サヨナラの意味」まで16作連続で選抜入りを果たしました。
そんな人気を誇る橋本さんでしたが、2016年10月にグループからの卒業および芸能界引退を発表。多くのファンに衝撃が走ります。
そして、デビュー5周年記念ライブ『5th YEAR BIRTHDAY LIVE』3daysが、橋本さんの卒業コンサートとなりました。
乃木坂46の『BIRTHDAY LIVE』は、“持ち歌全曲披露”が恒例で、1stシングル収録曲順に披露してきましたが、この卒業コンサートでは、橋本さんが各シングルから好きな曲をピックアップして構成し、37曲をパフォーマンス。
初日の本編後、メンバーがステージを後にすると、声を枯らしたファンの「ななみん」コールが湧き上がり、会場を揺るがします。
その声に応じるかのように、清楚なブルーのブラウスにロングスカート姿で再び一人で戻ってきた橋本さん。
「きょうで卒業します」
「私は『ないものねだり』という曲を歌っているけど、『ないものねだりしたくない』って歌っているけど、こんなに素敵な景色を何度も何度も目にしているのに別の道を進みたいと思うのが、いちばん『ないものねだり』だなと感じます」
と話したところで、声を詰まらせて大粒の涙がこぼれ落ちます。
「私が選んだその先に、正解があると信じています」
と自らに言い聞かせながらも、流れ落ちる涙を何度もぬぐっていました。
盟友・白石麻衣からの手紙に号泣。2人の絆に会場も涙…
そして感動サプライズが起こります。
メンバーを代表して、橋本さんと同い年の”乃木坂御三家”白石麻衣さんが手紙を読み上げます。
「私が乃木坂で過ごした5年半は、ななみんの隣にいた5年半でした。年も同じで、曲の中ではシンメトリーで、最高のパートナーだと思うようになりました」と告白。「ななみんのことを心から尊敬しています。橋本奈々未という一人の女の子に出会えたこと、人生で最高の自慢です。5年半みんなに幸せをありがとう」
感謝の言葉を述べると同時に、白石さんは橋本さんとマイクを通さずに会話を交わして抱き合い、2人で声を上げて泣きじゃくったのでした。
盟友からのサプライズの手紙。この感動的なシーンに、会場全体も涙に包まれたのでした。
コンサートは終盤に差しかかり、最初で最後のソロ曲「ないものねだり」を熱唱。
そして、ラストソングは、こちらもこちらも最初で最後のセンターを務めた「サヨナラの意味」で締めくくられました。
地上45メートルまで上がるゴンドラに乗った橋本さんは、会場を埋め尽くした3万5000人のファンを見渡し、会場の隅々にまで手を振り、「皆さん、さようなら」とあいさつし、ファンに別れを告げました。
弟のために芸能界入りを決意し、18歳でデビューした橋本さん。
芸能界のトップを誇る人気を獲得し、無我夢中で走り続けてきた5年半だったと思います。
引退の理由は、弟さんの学費のめどが立ったからという話しも…!?
弟思いの頑張り屋なお姉さんで素晴らしいですよね。
橋本さんが選んだその先でも、乃木坂に負けないくらいキラキラと輝き続けてくれることを期待します。