「娘から話は聞いた。事情はわかってるから君を咎めるつもりは一切ない」
「ありがとうございます」
「ただ、気になることがいくつかあったからこうして呼んだ。娘の傷のことは誰にも言ってないな?」
「はい、言ってません」
「何故だ?」
「何故と言われましても、人に言いふらす事でもないですし、言いふらす相手もおりませんし」
「どうしてあんな体になったのか気にならないのか?」
「興味ないです」
「え?ない、のか?」
「全くないわけじゃないですけど、敢えて聞きたいものでも」
「…本心か?」
「えっ?はい」
取締役はそうかとだけ返して、そこで話は終了。
デザートまで飯食ってからそのまま解散した。
ただ別れ際に「あの子のことを悪く思わんでくれ」と思い詰めたような顔で言われた。
この一件から、また周りの環境は少しずつ変わり始めた。
気になる続きは次ページから!!