で、最後が俺だよ。俺もうすでに泣き過ぎて、立っててもなんかプルプル震えてたと思う。
「マサトお父さん、
お父さんが12歳の私を引き取ってくれた時、
私がどれほど嬉しかったと思いますか。
お父さんは私のために、
沢山のことを捨てなければならなかったのではないでしょうか。
それでもお父さんは、
一度も投げ出すことなく私を育ててくれました。
私を褒めてくれました。
私を叱ってくれました。
私のために泣いてくれました。
私はとても幸福です。
私を育ててくれて有難う。
私を愛してくれて有難う。
マサトお父さんは、
ずっとお父さんとは呼ばせてくれませんでしたね。
でももう、これからはお父さんとしか呼びませんからね。
有難うマサトお父さん。
大好きです」
最後の俺への手紙、
実際にはもう号泣しながらだから、ちゃんと読めてなかった。
そのあと、タカシくんの友達(柔道軍団)
に無理矢理胴上げされて、
貸衣装が破れたのはいい思い出だ。
メイには絶対言えない話だけど、
正直、ちゃんと育てられる自信なんかなかった。
兄貴たちが事故に遭うまで、
仕事もせずにぶらぶらしてたお気楽次男坊だった。
いつも、どうやってメイに接したらいいのかって悩んでたよ。
26歳が突然12歳を引き取るんだ、ちょっとあり得ない話だ。
でも奇跡的にあんないい子に育ってくれた。
K社長に巡り合えたことは、
俺にもメイにも素晴らしい結果をもたらしてくれた。
どれだけ感謝しても足りない。
今日の夕方、娘夫婦が新婚旅行から帰って来る。
明日は、兄貴夫婦の墓前にみんなで報告に行って来るよ。
さあ次の問題は、俺の嫁取りか!
まさか娘に先を越されるとはな!
頑張るぜ、37歳、独身、23歳娘有り!