はにわみたいに無表情ていうか
昔風の顔だった。
「それって魚へんに右ってこと?」
俺は聞き返した。
「『へん』てなん?
『さかな』と『みぎ』の漢字のこと聞きよるんよ」
そう言われ
ますます何のことかわからなくなった。
「そんな漢字知らん。」
俺はこの女の子とかかわりたくなかったので
(母親が登場してきて変な風に思われたくなかったので)
その子を突き放すようにきつめの口調で言った。
そうしたら女の子はプイっと後ろを向き
公園の奥にある滑り台のほうへ走っていった。
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