女「そうですねえ。じゃあ死んだら、素敵な恋人を作ります」
男「死んでからはじまる恋ですか」
女「ええ。素敵な幽霊の恋人を作ります。そして、幸せになります」
女「そうすればわたしの自殺は間違っていなかったって、証明もできますからね」
男「楽しそうですね」
女「あなたの提案でしょう?」
男「まあそうですけど」
女「天国とか地獄とか、そういうのはわかりませんけど考えるのはやめておきましょう」
男「うーん」
女「なんですか? 俗物的とか言いたいんですか?」
男「いえ、やっぱりほぼすべての人間が、そういうふうに思いこんでるんだなと思って」
女「思いこんでる? なにを?」
男「そもそも疑問に思ったことはありませんか?」
女「……えっと、幽霊なんて実はいないとかそういう話ですか?」
男「いえ、幽霊の有無に関してはいると思いますよ、たぶん」
男「それより、こういう疑問をもったことはありませんか?」
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