女「そうです。石のようにかたい意志をもってるんです」
男「あと、ギャグセンスないですよね」
女「……べつに、あなたを笑わせたいわけじゃないんで」
女「ていうか、さっきから変な会話をさせないでください」
男「変な会話?」
女「ええ。さっきから妙に視線を感じるんです」
男「これから死ぬのに、赤の他人の視線が気になるんですか?」
女「う、うるさいです。とりあえずさっさとここを出ます」
男「最期の食事なのに、そんな食べ方しなくても」
女「……」
男「急にがっついたと思ったら、今度は食べるのをやめて……ブレブレですよ」
女「ちょっと黙ってください」
男「結局すごい時間をかけて食べましたね」
女「最期の食事ですから。当然でしょう。なにか文句でも?」
男「いえいえ。そんなことよりも、これからのことについて話しましょう」
女「あなたと話すことはありません。ていうか、いつまでついてくる気ですか?」
男「僕の善意を無下にする気ですか?」
女「善意?」
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