字は走り書きのような乱雑さで、誤字をさっと線で消して書き直した跡もあった。
どう見ても、幼馴染が幸せで元気であるようには見えなかった。
その手紙をそのまま捨てた。
幼馴染の両親に連絡を取ろうと思えばできたと思う。
うちの母親と幼馴染の母親は年賀状のやり取りをしていたから。
幼馴染からの手紙はそれっきりで二度目はなかった。
時々今でも夢に見る。
もしかしたらあの時たまたま幼馴染が困ったいただけで、今は普通に生活してるかもしれない。
でも、どうしてもそう思えない。
多分あの時、私は幼馴染の命綱を切ったんだと思う。